皆さんはそんな特集記事が組まれた週刊誌、購入しますか?
気になる気持ちは分かります。
でも購入するということは、相手に数字としてはっきり分かる利益を与えていることになりませんか?
今回は、そんなスキャンダル記事との付き合い方について書きたいと思います。
【購入する=売り上げを上げること】
週刊誌は店頭やネットで販売されています。
販売されている、ということは、販売数が多いほど、儲けが発生するということです。
ある雑誌がジャニーズのスキャンダルを掲載したとします。
その記事を目当てに、多くのジャニーズファンがその雑誌を購入すれば、「ジャニーズのスキャンダル記事を掲載すれば雑誌が売れる」という前例を作ってしまうことになります。
それはつまり、今後もその雑誌が、過激な記事を求めて自担を追いかけまわす、という望ましくない行為を誘発してしまうのです。
「でも気になるし、私ひとりくらいならこっそり買っても・・・」
例えば、そう思った人が、あなたの学校の学年に、たった1人いたとします。
全校だと、ほんの3人。たった3冊の売り上げなんて、きっと雑誌社からしても大したものではないでしょう。
しかし、もっと視野を広げてみてください。
文部科学省の発表では、平成19年現在、全国には高等学校が5,313校あるそうです。
5,313校 × 3人 = 15,939冊
またさらに、中学校は10,955校あるとのこと。
10,955校 × 3人 = 32,865冊
合わせると、48,804冊となります。
上記は仮定を元にした超アバウトな計算ですが、学年でたった1人しか買わなくても、その雑誌は普段よりも約5万冊売り上げを伸ばすという計算になります。
日本雑誌協会のデータによれば、アイドル雑誌として一番メジャーなMYOJOで、1号あたりの印刷部数は平均で約20万冊だそうです。
「雑誌が5万冊売れる」というのがどのくらい大きな意味を持つのか、推測できますよね。
もちろん購入するのは学生だけではありません。
残念なことに、社会人になると自分の自由になるお金が増えることもあり、学生よりも安易にこういった雑誌に手を伸ばしがちになります。
繰り返しますが、それは自担のプライベートを追いかけまわし首を絞める人に、援助しているのと同じことです。
そして、これは他のファンマナーやネチケットに関しても言えることですが、「私1人くらい・・・」と思っている人は、この世に五万といることを、念頭に置いておきましょう。
【サイトのアクセス数を上げるのも同じこと】
最近は雑誌だけではなく、ネットでスキャンダルを暴露するような媒体も登場しています。
そういった媒体がネットに過激な記事を掲載するのは、
- ネットを介して、自社の雑誌の購入を促す(今週発売の○○に詳しく載せてます!など)
- 紙媒体の雑誌ではなく、そこからデジタル版の購入を促す
- アクセス数に伴う広告収入を得るため
などの理由が挙げられます。
先日の「NEWSな2人」でも話題になっていましたが、テレビや雑誌、イベント等での発言をまとめて記事にするいわゆる「コピペ記事」も、広告収入のためのアクセス数を稼ぐ手段のひとつです。
そこで。
皆様はTwitterなどでリンクを貼って情報を拡散する際、記事の発行元の確認をしていますか?
大手媒体ならいいですが、無名の「○○プレス」「○○速報」などのサイトの中には、悪質なサイトが紛れていることがあります。
名前は違っても、辿ってみるとゴシップ誌を発行する会社がおおもとだったり、簡単にエロ・グロサイトに飛べるようなサイトは、要注意です。
企業のホームページにおいては、アクセス数も売り上げと同じで重要な意味を持つ数字です。
極端に言えば、アクセス数を伸ばす=その企業に協力している、ということです。
Twitterは気軽なメディアではありますが、記事を投稿・拡散する際は、その記事の発行元が信用できる大手メディアかどうかを確認してからにしましょう。
【そのスキャンダルは「ファンにとって必要な情報」か】
さて、ここまでは雑誌を買うか否かという具体的なところに触れてきましたが、ここからは、そのスキャンダル記事そのものについて書きたいと思います。
まず、スキャンダル記事が真実かどうかは、非常に怪しいということ。
残念なことですが、ジャニーズの記事を掲載することによって、雑誌社側は大きな売り上げの伸びが期待できる状態なのは事実です。
そうなると、悪質なメディアなら、事実確認しないうちに記事にしてしまったり、もしくは「大勢でいたのに2人だけを切り取られた」というような、ありがちなねつ造に走る可能性は大いにあります。
また、ファンは情報を追いかけ続けるので、「ねつ造だったのか」と解決を知れる可能性はありますが、一般の人たちはそうはいきません。
過激なトピックスは、そのままそのタレントのイメージとして、残り続けます。
Twitterでよく「こんなのは嘘!」と証拠を並べて拡散したりしているのを見ますが、おそらく一般の人の目に触れた時、ツイートした人の本意はほとんど伝わっていないと思います。
「スキャンダル出たけどあり得ない」「あのスキャンダルは嘘」と、火消しのために騒いだとしても、トレンドに上がるのはその「スキャンダル」の部分だけではないですか?
一般の人は中身の詳細なんて読まずに流し見します。
印象に残るのは「この人スキャンダル出てる」ということだけです。
それを思えば、否定だろうが何だろうが、名前を出して騒ぎ立てること自体が、スキャンダルを盛り上げてしまうことになりますよね。
そして最後に。
もしそのスキャンダルが事実だったとして。
スキャンダルの中身にもよりますが、果たしてそれは一般的に考えて「悪行」にあたるでしょうか?
女性と食事に行くことは、何も不健全ではないし、仕事の相手なのか友人なのか親戚なのかわからないのに、勝手に熱愛に仕立て上げられてしまったら、そのタレントさんのプライベートや、時にはチャンスを潰していると思いませんか?
イベントや行楽地にプライベートで友達と遊びに行くことに至っては、ごく普通のことで、スキャンダルとして扱うことでもないですよね。
私の個人的な考えを書かせていただくと。
アイドルにだってプライベートはあって然るべきだし、ON・OFFが他の職業よりも厳しいアイドルという職業だからこそ、OFFに気兼ねなく遊んでほしい!と思う、そんなNEWS担です(笑)。
例えば自担の恋愛スキャンダル記事が出たとして、「彼女がいる」ということにショックを受けるというよりも、「彼女がいることが世間に出てしまった」ということの方がショックかも・・・。
ジャニーズのタレントが事務所に入るのは、小学生や中学生の時で、そのままデビューして活動を続ければ、30、40と年齢を重ねます。
その間、ずっと彼女を作るな、恋をするな、というのは、酷な気がするんですよね。
だから、プロのアイドルとして、決してその存在は表に出さない努力をしてほしい、とは思います。
でも今の時代は、ほぼ全ての人が常にスマホを携帯していて、簡単に写真が撮れてしまう。
そしてそういう写真を「お金に換えよう」とか「自分が目立つために拡散しよう」という安易な気持ちで取引する人がいる、という社会の現状・倫理観が、私は一番怖いと思います。
Twitter上にも、多くの目撃情報・写真が出回っています。
至近距離から不意打ちで撮ったようなもの、明らかに何かに隠れて盗撮したもの、はたまた建物の上層階から望遠で無理やりとったようなものなど、本当に360度どこから狙われているか分からない状況が窺い知れます。
そんな状況でも、投げ出さずにアイドルを続けてくれる自担を、私は尊敬しています。
さて、見出しにも書きましたが。
あなたにとって、スキャンダル記事は、果たして必要な情報でしょうか。
その記事は、雑誌社が売り上げのために乱暴に書いただけの記事かもしれません。
自担のプライベートを面白おかしくねつ造・脚色したものかもしれません。
その記事が出て騒ぎ立てることで、自担が苦しい思いをするかもしれません。
大好きな自担を追い詰めるその情報は、本当にあなたにとって、他の多くのファンにとって必要な情報でしょうか。
コンビニで雑誌を手にする前に、ネットの記事をツイート・拡散する前に、もう一度自担のことを・・・その記事が他のタレントさんについてのものなら、もし自担だったら、と置き換えて考えてみてください。
乱暴なスキャンダル記事には、ファンならば特に、触れないことをお勧めします。
否定でも何でも、騒ぐこと自体がそのスキャンダルを盛り上げているのと変わらない、ということを、頭の隅の方に置いておいてください。